はじめに
機械保全技能士とは、現在日本プラントメンテナンス協会が試験を管理している資格で
国家検定です。
機械保全とは、機械単体の保全ではなく、工場の設備機械の故障 や劣化を予防し、
機械の正常な運転を維持し保全するために重要 な仕事で、各種製造現場の共通的な作業です。
機械保全技能検定は、機械の保全に必要な技能・知識を対象として実施されます。
自動車製造関連とか工作機メーカーで勤務の方を中心に資格取得を推奨されています。
電気系、機械系と別れていますが、電気系の資格は、実技作業が実際にあるので
難易度が高いものとなっています。
ちなみに1級の場合は、厚生労働省から、合格証がもらえます。(2級は県です)
機械保全技能士 電気系のPLCプログラム技法についてまとめます。
作業制限時間は、50分
配線作業 25分 (目標20分以内)
◎プログラム 15分 (目標10分以内)
デバッグ 5分
試験官に説明 5分
プログラム作成時間は、15分しかありません。
白ランプの点灯タイムチャートを完成させた後に、追加のランプのタイムチャートを指示されます。
そこで
- 以降の手順でプログラムをする
- タイミングチャートの判断だけでプログラムをする
★10分でプログラムするためには・・
1) 毎日 WORKS2で課題を最低1問以上やること。(できるようになれば、15分しかかからない)
2) 時間を計ってやる。
3) デバイスを暗記する。(試験の時は、デバイスコメントを記載しなくてもわかるように)
4) 時間短縮と反復練習に努める。
基本的な操作と基礎的な事項は、理解していることが必要になります。
試験に際しては、
- 練習の際に、実際の試験をイメージして作業する。
- 試験官にみせることを想定して練習する。
- プログラムは、再現性が必要なので、繰り返し動作させる。
- PLCは空のデータを送ってから始めますので、やり方をよく理解しておく。
ステッププログラムの勧め
ラダー条件で組む場合
2019年でのプログラム仕様2です。
条件式のラダーで組む場合、
①白ランプのオン条件の判断が必要
この場合、黒ボタンを押した回数と同じ回数を黄色ボタンを押したときにランプが点灯
②白ランプ消灯のタイミング
緑ボタンリセットのときとなります。
ラダーで記述すると下記の通りです。
ステッププログラムの勧め
①ラダー条件で組む場合は、タイミングチャートをみて判断する必要があります。
②事前に公開されない課題で①の条件を見いだせない場合、ラダーを組めない。
③試験時間の制限内で、オンオフディ回路、フリッカ回路も作成しないといけない。
④そもそもタイミングチャートで、条件式をつくる能力を問われても問題が難しい場合、試験合格できない
そこで、どんな課題でも対応できるようにするにはと、数年保全技能士の受験教育をしてきて、ステッププログラムをお勧めすることにします。
ステッププログラムとは
順序を制御して、プログラムを記述する手法です。
実際の記述方法は色々ありますが、試験では時間も制限されるので、次に紹介する方法が簡単だと思います。
まずは、信号のオンまたはオフのタイミングの番号を付けます。
この番号のときに・・ランプを点灯、消灯を実行します。
この仕様の場合最大で38ステップとなります。
ラダー記述方法
②この回路を複数貼り付けします。
コピーします。
複数貼り付けを選択します。
X2とD0は貼り付け時に増加させません。2行ごと複製するので、Kは2つ増加になります。
最終ステップが38なので、38-2(コピー元)=36 、36÷2で18複製します。
③あとは、ステップ番号にあったX0,X1,X2に修正していきます。
連続部分は縦にコピーペできるので活用しましょう。
④最後に、ステップの再現性のために追加します。ステップ38でリセットしたら、最初から実行する記述をします。
これでステッププログラムは完成です。ここまでを1分以内にできるように練習しましょう。
⑤白ランプを点灯させる場合
ここではステップ番号9,17,33で点灯開始
13,21,37で消灯しています。
条件の立ち上がり↑を入れると誤動作しないので必要に応じて使ってください。
オンオフディレイ回路作成
オンディレイとは、開始を遅らせて実行する。
オフディレイとは、終了を遅らせる。
オンディレイ回路
ステップ1で内部リレーM0をオンしてタイマーを起動します。
T0タイマーがオンでランプを点灯し、ステップ3で消灯させます。
オフディレイ回路
ステップ1でランプ点灯開始(内部リレーM0をオン)
ステップ3でオフディレイ開始の内部リレーM1をオン
T0のタイマーで計時後、M0とM1をオフします。
※内部リレーの使い方は事前に決めておいたほうがいいです。
例:Y0用 M0-9、Y1用 M10-19・・等
SET、RSTは複数使っても二重コイルになりませんので、試験のときは、用途別にしたほうが間違えにくいです。
フリッカ回路作成
フリッカ回路とは
オン、オフを繰り返す回路のことです。
何回フリッカするかの指定もあるので、タイマーとカウントする機能が必要となります。
フリッカのプログラムの回路は、基本形が下記のようになります。
フリッカ動作中にT0とT1でフリッカ動作をします。
ランプ出力の方法
ステップ1にて、フリッカ開始でステップ3で停止の場合、下記のようにします。
内部リレーM3がランプのフリッカとなります。
回数でフリッカさせる場合
フリッカ動作で指定回数した後に停止させる場合は、フリッカした回数を計時します。
D1のデバイスでカウントします。
繰り返し使うために、3回カウントしたら、0にリセットします。
あとは、ランプ点灯条件を記述します。
2017年度試験対策 ステッププログラム対応
仕様1の場合
下図のように状態番号を決めます。
枠内の番号がそれぞれの状態を示します。
プログラム例1
状態=メインステップとして条件を記載していきます。
2行書いたら、コピペをして、あとで数字と接点を修正します。
プログラム例2
プログラム例1では、ラダー記述する時間がかかるので、下記のように簡素化しました。
上部分は、仕様1,2共通で使用可能です。丸暗記でいいです。
まとめ
機械保全技能士の受験をすることで、電気保全、PLCプログラム技能向上ができると思います。
また、保全技能、FAプログラム技能はみんなが使えるように教育も必要です。ご自身が合格したら後輩の勉強もみてあげましょう。
プログラムを作成修正するということは、その責任をもって作業を行うということも伝えていきましょう。
コメント
2023年度からめっちゃこの方法対策されてますね
この方法使ってないからあまり影響無かったっすけど、この方法で覚えてた同僚が苦労してますね
アカベさん
コメントありがとうございます。
2023年の問題確認してみます。